色が変わるスティックのりと、感熱紙を使ってちょっとしたマジックのように見える実験をおこなってきたので、その後報告です。
スティックのりは、色がついた糊で、青色をしています。紙に塗ると青色が見えていますが、少しすると、色は消えます。
糊はアルカリ性で青色、中性になると透明になるのです。透明になるのは、空気中の二酸化炭素といっしょになるからです。
まるで、スティック指示薬みたいなものですね。スティック指示薬としての実験は、今後ご紹介するとして、今回は、感熱紙に絡めて、ちょっと使ってみています。
お友達がやったのは、こんなことです。
画像にコメントを入れていますよ。
ここで、このふしぎな紙の説明!
実は、感熱紙は、表の面だけに、お薬が塗ってあって、表の面だけが、色が変わります。
簡単にいうと、
・白い紙の表面に「2種類の物質」が混ぜて塗ってある。
・1つは「酸性のもの」で、もう1つは酸性のものと一緒になると発色する「色の元」。
・常温ではそれぞれは固体で、反応しないので無色のまま。
・熱を加えることで、それらが溶けて反応が起こり、黒い色を発色する。
という感じです。
低学年のお友達には、酸性とかいう言葉は使わず説明しましたよ。
ってことで、みんなの紙にも、アイロンを当てて見ました。
おやおや~!スティックのりを付けた部分が、白いままですね。
スティックのりは、アルカリ性。それを塗っていたので、感熱紙の酸性のものが、働かなくって、熱を加えても、黒くならなかったのです。
実は、スティックのりだけでなく、画像のようなものでも、感熱紙は、黒くならなかったり、黒くなった感熱紙が、白くなってしまうことがあります。
「感熱紙」を販売しているメーカーのWebサイトには、使用上の注意として、
印字後に湿気や脂分を含んだり日光にあたると、変色したり書き込みができなくなります。…化粧品、薬品類、アルコール、油、インク印鑑(シャチハタなど)を押す場合は、印字にかからない位置に押してください。…溶剤、有機化合物などと接触しないようにしてください。
などと書いてあります。
アルコールやオイル類などは、黒いものが溶け出るのでしょう。
そのことを利用して、お友達には、こんな感じで遊んでもらいました。
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この実験ですが、感熱紙(レシート)を黒くするのは、直前がいいです。もし、数日前に、黒くしてしまっていたら再度アイロンをかけてから、行うと、問題なく、白くなると思います。
ってことで、こんなものをお友達には、見てもらい、どうしてこういったものができたのか、考えてもらいました。
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レシートを正方形に切って、兜を折って、アイロンかけてもできますよ。
実は、感熱紙の実験では、黒くなったところに、重曹を塗って、白くして、そこに、酸性の酢を塗れば、また黒く戻る。と解説してあるサイトもあります。理論上は、なりそうですね。
でも、黒くした感熱紙に、酢を塗っても、白くなる場合もあります。
左から、
酢・エタノール・重曹・クレンジングオイルを塗っています。
酢をぬったところが、白っぽく見える理由は、酢は液体なので、黒くなったものが流れ出ているのだと思われます。エタノールやクレンジングオイルも流れ出るためです。
アイロンをかけて、黒くした感熱紙に、アルコールなどをかけて黒い色を流し出し、その液体を使って色変わりの実験をするのが、まあいい方法かなと思います。
日常の品物は、ドロドロしていたり、混じりけがあったり、なかなか、きちんとした実験結果を出すのは、難しいものです。でも、こういった注意すべきポイントをきちんと見つけることができるようになってくると、やみくもに実験して何が何だか分からなくなることが少なくなり、楽しくなってきますよ。
感熱紙や、スティックのりは、簡単に手に入るものです。こういったことが分かったうえで、実験やってみてくださいね。以前行った感熱紙の実験は、こちらです。
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